「私の膝の痛みはどうにもならないのでしょうか?若い時は山にも登ったし、退職したらやりたいことと行きたいところ沢山あったのに。」「今は2キロくらいは歩けるのですが、肩や首・腰も痛くなるし、この先不安で。運動も毎日色々やっているのですが」。「何か自分で出来る事を覚えたいのです。」とSさん。
今日初めての来院されました。気持ちは前向きで、基本的には骨格はしっかりしていて運動好きです。膝にヒアルロン酸注射をしてきたその足で、パンフレット片手に温古堂にお寄りになりました。
先ずは、日頃行っているという運動をやってみていただきました。膝を立てて、腰のひねり運動です。ぐいぐい。」・・力を入れての反復運動。わかりました。では、運動ではなく操体法をしてみましょう。
操体法は、体の違和感を見つけて、違和感のなくなるように気持ちの良い動きをすることで、それを改善する事(元の正しい体に戻す)が目的です。力を入れて左右に繰り返し運動をするのとは、ちょっと違います。先ずは、どこに不具合や違和感があるかを感じることが大切です。
「先ほどの運動で両膝を曲げ時に、左右の足の指先が2センチずれていますが、気が付いていますか?」と声をかけました。「そうなんですか?よくわかりません。細かい事はあまり気にせず、いつもこんな感じで運動してます。」「この運動が腰痛に効くと聞いていたので実践していたのですが、すぐに何かが変わるなんて考えてやっていませんでした。」
「趾先の左右のズレは、骨盤のズレそして背中の筋肉の緊張や肩の張りとつながって、首の傾きにもつながるのです。肩は苦しくないですか?」「苦しくて辛いです。首も回すとごりごり音がするんです。」どうやら聞けば、体中いろいろな所に気になる所があるようです。
「膝の痛みは体全体の歪みを整えることで、足のつき方や使い方が変わることに通じます。骨盤のズレや体全体の歪みが無くなっていけば、体のいろいろな不調も消えるという考えが操体法なのです。」
〖ゆっくり痛みの出ない方へ逃げて行くように動く〗という基本を実践していただきました。「こんなゆっくり優しくで良いのですか?」「体と対話しながら動くには、このくらいの速さと力加減が大切です。」操法後、最初に痛みの出た動きを確認。「あら、痛みがなくなった???」体が変わったという事は、今体が必要だという事をやれたという事です。
「なんか楽になっているみたい?!!覚えたいから、また来ます。家では何をしたら良いでしょうか」
早く良くなりたいと一生懸命な方には、頑張る方が多いようです。どんな動きをと聞かれた時には、まず呼吸をお教えすることにしています。ゆったり仰向けでの腹式深呼吸。10回続けて出来るように全身を観察しながら実践して下さい。次回までに何か体の声が聞こえるようになると思います。
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